水上太陽光発電所は水上ソーラーとも呼ばれ、主に農業用ため池や貯水池などに設置された太陽光発電所のことで水面に太陽光発電モジュールを浮かべて電力を供給します。
未活用の池は全国に約20万箇所もあり、ため池の水面は未使用です。そのため池の水面を有効活用し、所有者、管理者、事業者がそれぞれwin-win-winとなる水上太陽光発電は再生可能エネルギー発電事業のけん引技術と呼ばれ、今後、約40GWのポテンシャルとも言われております。
また今後はため池・養殖池・調整池・塩田跡地・鉱山跡地等以外にも、海上(オフショア)や湖、ダム、貯木場跡地等についても水上太陽光発電設置のポテンシャルがあるのではないかと考えております。
ため池とは、農業用水を確保するために水を貯え取水ができるよう、人工的に造成された池のことです。 ため池は、全国に約15万カ所あり、西日本に多く分布しています。
農業用水の確保だけでなく、大雨が降った時に水を一時的にため込み、下流域の氾濫を防ぐなど防災的な機能も有しています。
ため池の多くは、水利組合や集落などの受益者を主体とした組織によって管理されていますが、農家戸数の減少や土地利用の変化から管理が難しくなっています。
【参考】 農林水産省Webサイト
https://www.maff.go.jp/j/nousin/bousai/bousai_saigai/b_tameike/
水上太陽光発電システムには、陸上太陽光発電システムと比較して水冷システムがあり、発電量は5%以上増加します。暑い気候では10%~15%以上の増加も見込め、貯水池などのオープンな地形による風速の確保により、太陽光発電パネルの冷却に寄与します。
水道の都合上、都市部から貯水池などの貯水施設への距離がそれほど遠くないため、送電距離が短くなり、伝送システムのコストと伝送時の電力損失を削減できます。
水上太陽光発電は陸上の発電施設よりもコンパクトで、管理も容易であり、設置・撤去も陸上発電施設のような固定構造が無いため非常に楽です。さらに、設置された水上ソーラーパネルは、埃の多い地面に設置されたパネルよりもメンテナンスが少なくて済みます。
水という再生可能エネルギーは発電や農業用灌漑に使用できます。しかし、水資源の蒸発は水資源の開発において大きな問題となっています。水上ソーラーパネルは広範囲の水域を覆い、そのカバーにより太陽光や風による水の蒸発を減らすことができます。