つらい膝の痛みに再生医療 MSCを用いた膝の軟骨治療

下記症状と診断された方向け
  • 外傷性軟骨損傷
  • 離断性骨軟骨炎
  • 軟骨欠損を伴う早期変形性膝関節症

こんな症状はありませんか?

  • 痛み止めを飲んでも、湿布を貼っても、注射をしても膝の痛みが続いている
  • 過去に靭帯損傷や半月板損傷の治療や手術を受けているが、また膝が痛くなってきた
  • スポーツする時に膝が痛い
  • 膝をケガしてから、膝の痛みがおさまらない
  • 過去に事故で膝をぶつけた、あるいは膝をひねってから痛みが続いている
  • 膝を動かすと、引っ掛かる感じやずれるような感じなど、違和感がある
その痛み 膝の軟骨が傷ついているかも

膝の軟骨とは?

摩擦を減らす


クッション代わりの柔らかい骨

膝などの関節には「軟骨」と呼ばれる、水分を多く含む柔らかい骨があり、
軟骨がクッションの役割や、関節の摩擦を減らす役割をしています。
膝関節の軟骨には体重の数倍の重みに相当する力がかかることがありますが、
摩耗しにくく、長年にわたり重みに耐えられる構造を持っています。

ケガ、使いすぎ、
加齢によって減少

成人の膝関節の軟骨の厚さは約6mmですが、この厚みは30歳代でピークに達し、
その後、加齢とともに減っていきます。
また、スポーツやケガ、使いすぎによって軟骨が傷つくと、
クッションとしての役割を果たせなくなってしまいます。

軟骨が傷つく原因

使いすぎ・ケガ・痛みを
放置すると

軟骨の傷を修復しないまま放置すると、
膝関節全体が悪化し、さらに軟骨がすり減り、炎症が起きて痛みを感じたり、
関節に水がたまる(関節水腫)ようになることがあります。
また、膝の曲げ伸ばしに支障が出ることも…

軟骨は一度傷つくと自然には治らない強い痛みや、関節水腫を繰り返す場合は、鎮痛剤で痛みを抑えたり、ヒアルロン酸を関節に注射して軟骨を滑らかにしたりして、症状の軽減をします。これらの治療は対症療法であり、軟骨を修復するような治療法ではありません 軟骨は一度傷つくと自然には治らない強い痛みや、関節水腫を繰り返す場合は、鎮痛剤で痛みを抑えたり、ヒアルロン酸を関節に注射して軟骨を滑らかにしたりして、症状の軽減をします。これらの治療は対症療法であり、軟骨を修復するような治療法ではありません

ASSIGNMENT

そこで!現在注目されているのが

MSCを用いた

(滑膜由来)

再生医療

現在行われている標準的な軟骨を修復する治療は、外科的な治療法しかありません。
外科的な治療には、骨穿孔法、自家骨軟骨柱移植術、自家培養軟骨移植術があります。
今回ご案内させて頂く治療法は、MSCを用いた再生医療となります。

※ 再生医療についてはよくある質問をご確認ください

MSCとは

MSCとは間葉系幹細胞(Mesenchymal Stem Cell)の略称です。
MSCは成体幹細胞の一つで、人の骨髄、 脂肪、臍帯、滑膜(関節の周囲にある組織)などに含まれています。また、骨、軟骨、腱、脂肪、神経などへ分化する能力を持っています。この能力のため、MSCの移植によって治療できる病気の数や患者様の数はとても多いのではないかと期待されています。

MSCは成人の体の中に存在する幹細胞であるため、胚を使用する胚性幹細胞(以下、ES細胞)に比べ生命倫理上のハードルが低いというメリットがあります。また、iPS細胞に比べて癌化リスクが低いため、安全性が高いというメリットもあります。
しかし、MSCは骨髄の細胞の中に1万~10万個に1個というわずかな割合しか存在せず、さらに加齢と共に減少していきます。そのため、移植に必要な量のMSCを取り出すためには、大量の骨髄液の採取が必要でした。
また、MSCの増殖能や多分化能は、培養中に低下しやすく、従来のヒトやウシ由来の血清を用いた培養法では治療に必要な細胞数の確保が困難でした。そこで、MSCの分化能を維持したまま増殖性を飛躍的に上げる培養方法が開発されました。

gMSC®︎1-Aとは

従来のヒトやウシ由来の血清を用いた培養法では不純物の混入リスクに加えて治療に必要な細胞数まで増やすのが難しいといった問題がありました。
この治療で使用する「自家gMSC®︎1-A」は、特殊な無血清培地(MSCを安定的かつ大量に増殖させることができ、また血清を使用しないことから不純物の混入リスクが低いもの)を用いた培養技術とスキャフォールド(※)を用いない移植材作製技術を用いて適切な品質管理のもと製造される軟骨再生を目的とした特定細胞加工物です。 また、この「自家gMSC®︎1-A」の基礎となる技術は、は臨床試験で使用された実績・データも保有しております。

※スキャフォールドとは組織の再生を目的とした細胞製剤を作る際に用いられる、増殖を促したり構造を保持したりするための環境である「足場」のことです。動物由来の成分等を使用するため、それに由来する安全性上の問題が出る可能性もあります。自家gMSC®︎1-Aではこの「足場」を使用しないため、足場に起因する副作用のリスクが低減されます。

自家gMSC®︎1-Aは、株式会社ツーセルが開発した膝軟骨再生細胞治療製品です。

MSC再生医療のPOINT

高い安全性

下記2点の特徴により、他の再生医療に比べ高い安全性を保っております。

  • ヒトやウシ由来の血清を用いない培養法のため、患者様の血清を用いる(採血の負担)、動物由来の不純物の混入(狂牛病などのウイルスリスク等)が少ない
  • 移植細胞用の人工の足場材料(スキャフォールド)を用いる必要がない(動物由来成分に伴うリスク)

MSC再生医療のPOINT

軟骨再生による
長期的な効果

通常、一度傷ついた軟骨は簡単には再生しないことが知られていますが、本治療では、自家gMSC®︎1-Aを軟骨損傷部位に直接貼り付けるように移植することで、軟骨の再生が期待されます。

臨床試験(膝関節における軟骨損傷及び離断性骨軟骨炎を対象とした同種滑膜間葉系幹細胞由来三次元人工組織(gMSC1)移植の有効性及び安全性をマイクロフラクチャー(MFx)法を比較対照として評価する第III相無作為化臨床試験:jRCT1080223548)において、軟骨再生を示唆するデータが得られています。

その痛み 膝の軟骨が傷ついているかも

治療(再生医療)の対象者について

膝関節の外傷性軟骨損傷・離断性骨軟骨炎・軟骨欠損を伴う変形性膝関節症
の方が対象です。

また、今回ご案内させて頂く治療は
自由診療 となります。

自由診療についてはよくある質問をご確認ください。

治療の対象となる方

  • 膝関節の外傷性軟骨損傷または離断性骨軟骨炎と診断されている方
  • 変形性膝関節症で軟骨欠損があると診断されている方

ご案内出来ない方

  • 関節リウマチと診断されている方
  • 人工膝関節の治療を医師から勧められている方
  • 重度の変形性膝関節症と診断されている方

今回実施する

治療方法について

今回の治療では、患者様ご自身の滑膜組織を採取させていただき、
滑膜組織に含まれる間葉系幹細胞を抽出し、培養します。
その細胞を用いて特定細胞加工物を製造して、患者様の軟骨欠損部位に移植します。
滑膜組織の採取の際に2日間程度、移植後約10日間程度の入院とリハビリを行っていただきます。

  • 検査

    治療開始前に日帰りの検査を受けていただきます。

  • 滑膜採取

    外来手術で膝から滑膜採取を行います。日常生活に支障が出ることはありません。
    事前準備を含め約2日ほど入院していただきます。

  • 培養

    採取した滑膜を細胞培養センターへ輸送し間葉性幹細胞を抽出、培養します。
    細胞を採取してから約1ヶ月ほどで自家gMSC®︎1-Aが完成します。

  • 移植手術

    完成した自家gMSC®︎1-Aを外科手術にて軟骨欠損部へ移植します。
    手術の前日から入院していただきます。

  • リハビリ

    まずはべッド上でのリハビリからベッドサイド、リハビリテーション室と、患者様の状態に合わせて徐々にリハビリの強度を上げていきます。

  • 退院

    手術日からおおよそ10日後を目安に退院となります。

  • 経過観察

    約1年間通院していただき、その後の経過観察、健康状態を確認します。

よくある質問

自由診療とは何ですか?

自由診療とは、治療として、国の承認を受けるための全段階を満たしておらず、有効性などが公的に確認されていないので『保険診療』として扱われないものです。保険診療と厚生労働省が承認していない治療や薬を併用すると、公的医療保険による医療費負担は適用されず、治療費が全額自己負担となります。

【メリット】

新しい医療技術や医薬品に挑戦することができます。
また、患者様の要望に応じて、細かな検査なども実施することができるため、患者様の体質や状態に合わせた診療が受けられる可能性があります。さらに、日本で未認可の医薬品や、公的にみとめられた適応疾患以外の医薬品も使用できます。

【デメリット】

健康保険などの公的医療保険が全く使えないため治療費が高くなります。
科学的根拠がはっきりしていないものも含まれており、既存の治療法よりすぐれているという保証はありません。

(引用元:再生医療ポータル)

他にどんな治療方法がありますか?
再生医療とはなんですか?

培養して増やした細胞(幹細胞など)を用いて、病気やケガで傷ついた組織や臓器を修復したり、病気の治療や予防をするための医療技術です。

効果はずっと続きますか?

一般的に、再生医療は従来の治療法とは異なり、組織の再生をすることで、長期間の治療効果を得ることを目的としております。 本治療でも期待される効果が得られれば長期的に効果が続く可能性があります。

治療までの流れ

  • 登録

  • アンケートへ回答

  • 医療機関
    よりご連絡

  • 専門医の
    診断

  • 登録

    受診希望者の基本情報を入力いただきます。
    再生医療による治療に興味がある、受診したい方はご登録へお進みください。

    step

    01

  • アンケートへ回答

    ご案内出来る条件に当てはまっているか確認致します。アンケートのご記入をお願いいたします。

    ご案内条件を満たした方

    順次担当者よりご連絡させて頂きます。

    ご案内条件を満たさなかった方

    今回の治療にはご案内出来ません。予めご了承ください。

    step

    02

  • 実施医療機関よりご連絡

    実施医療機関の担当者より、初回来院日の日程調整や来院時の注意点等のご案内のためご連絡させて頂きます。

    step

    03

  • 専門医の診断

    実施医療機関にて詳細な検査を実施後、専門医の最終確認を行ったうえで、治療の説明及び同意取得後に治療が開始されます。以降治療の方法のフローチャートをご参照下さい。
    ※検査等の結果により、今回申し込み頂いた治療を受けられない可能性がございます。

    step

    04

実施医療機関一覧

治療に関するお問合せは
ご希望の医療機関へご確認下さい

医療機関名 医療機関ホームページ 治療に関するお問い合わせ先
釧路孝仁会記念病院 公式サイト 0154-39-1222(再生医療室 : 内線866)